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2018年08月29日
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借地権の約半数は 旧法借地権です

日本の「借地借家法」は、ヨーロッパの「地上物は土地に属する」という考え方とは異なり、独特で一般の人にもわかりにくい法律かもしれません。現在、旧法と新法が併存しているのでさらに分かりにくく難しいです。そして現在も、借地権マンションなどが建設されていますが、全体の借地権建物の約半数が旧法借地権です

現状は旧法と新法が併存している

旧法は新法施行後も、旧法を法的根拠としてに存続する
新法施行以降の旧法借地権の変化した2点
①建物の構造における存続期間を定めた
②建物が存続する場合の期間満了時における更新拒絶の正当事由の明文化

旧法借地権(新法施工後)

①旧法の存続期間

「堅固な建物」:石造、煉瓦造、鉄筋・鉄骨コンクリート造

  • 法定存続期間(双方で存続期間を定めない場合):60年+更新後30年
  • 双方の合意で期間を定めた場合:30年以上(これより短く定めた場合は無効で法定存続期間となる)

「非堅固な建物」:木造・軽量鉄骨造

  • 法定存続期間(双方で存続期間を定めない場合):30年+更新後20年
  • 双方の合意で期間を定めた場合:20年以上(これより短く定めた場合は無効で法定存続期間となる)

新法で契約の普通借地権建物構造にかかわらず

  • 新法にて契約の法廷更新がある普通借地権:30年以上+更新後20年以上+さらに更新後10年以上

②建物が存続する場合の期間満了時における更新拒絶の正当事由

旧法では、借地権者の更新請求や継続使用で建物が存続している場合、借地権設定者(地主)が遅滞なく異議を述べなければ借地契約は更新される。

借地権設定者(地主)の異義には正当事由が必要

  1. 借地権設定者(地主)及び借地権者(転借地権者を含む)が土地の使用を必要とする事情
  2. 借地に関する従前の経過
  3. 土地の利用状況
  4. 借地権設定者(地主)が土地の明渡しの条件として、または土地の明渡しと引き換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出
ただし、正当事由が認められ更新されない場合は、借地権者は建物買取請求ができる。

建物買取請求権

借地権者の更新や継続使用に対する、借地権設定者(地主)の異義が認められ、更新されない場合は建物などを時価で買い取るように請求できる。

この請求は借地権設定者(地主)に対して一方的な意思表示をもって建物などの売買契約が成立したことになる。

双方は同時履行の関係になり、借地権者は借地権設定者(地主)から売買代金を受け取ると同時に引き渡せばよい。

借地期間残存期間中の再築・滅失・朽廃の場合(少し複雑です)

●滅失・再築
旧法では、借地期間中に建物が滅失し残存期間を超えて存続する建物を再築した場合、借地権設定者(地主)が異議を述べない時は借地期間は延長する。

その期間は、下記1,2のいずれか長い期間となる。

建物滅失の日から起算して残存期間
堅固な建物:30年、非堅固な建物:20年


●朽廃
旧法では、法廷存続期間が満了するまでに建物が「朽廃」すると借地権は消滅する。

双方の合意によって存続期間を定めている借地契約では、朽廃しても借地権は残存期間まで消滅しない。

ただし、「朽廃」の定義が数値化できないため判断が難しく、物理的、社会経済的な効能も含めた総合判断にゆだねられ数多くの判例が残っている。

定期借地権(借地期間の終了が決まっている)

住宅などの一般定期借地権の場合、原則50年以上の設定ということで、50年たったら更地にして借地権設定者に返還しなくてはなりません。

50年なら1世代、自分の世代が全うするころまでとも言えるが、今の時代、人生100年時代としてはそれが適当なのかどうか考えなくてはいけません。

30歳で購入して50年後の80歳で建物を取り壊し返すことで、自分たちの住むところを無くすことになります。

そのことを予期して、新たに移動するところが手配出来ているとか相続する不動産があればよし、またその時点でホームなどに入居できることができれば、路頭に迷うことにならないで残りの人生を暮らせます。

しかし、50年後の経済の予測や、家族の状況の予測などなかなかできないのではないでしょうか。

定期借地権の建物は借地権設定者(地主)にとっては有利ですが、購入する側にとってはリスキーといえます。

しかも、保証金や地代は必要で、期間が定まった建物に多くの費用をかけることは考えにくく、期限が定まっていると管理やメンテナンスにも力を入れるとは考えにくいのではないでしょうか。

期限が来る頃にはスラム化しているなどとは考えたくはないですが、ないとも言えず定期借地権については十分に考える必要があります。

旧法借地権は借地権全体の約51%ある

現在もなお、一般の借地権の51%が旧法借地権により、新法の施行後も旧法の法的根拠で存続しています。(平成25年度土地統計調査による)

「堅固な建物」か「非堅固な建物」かという期間の違いがあっても旧法は適用されています。

借地権建物は不利ではないかという意見を聞くが、旧法借地権の場合、「堅固な建物」なら更新されれば90年、ほぼ人の生涯にわたり住み続けることは可能なようです。

「非堅固な建物」では更新すれば50年、地主さんとの合意によればさらに長い期間に延びる可能性もある。

こう考えると、人が生涯にわたり住むことは可能なようです。

メリットもあればデメリットもある

建物は年月とともに劣化していく

建物は使い捨てではなく、長期計画のメンテナンスによって何百年でも持つような設計で建てられて、人々の生活をつないでいくのではないでしょうか。

自然災害のリスクはありますが、最大限のリスクを計算して法整備の元に建築設計されています。

所有権であれば土地の固定資産税もかかり地価の変動により価値が変動する。

借地権であれば建物の固定資産税だけですが、ただし保証金や借地料がかかる。

所有権であれ、借地権であれ、いずれにしても建築後の管理の良しあしが建物の価値に関係することは考えられます。

一概に、借地権だから資産価値が低いとは考えにくく、管理の条件次第、住人の意識次第というところではないでしょうか。

ただ定期借地権の場合は、期限が来たら終了することが分かっているので、そのことを踏まえた運営がされるべきかも知れません。

借地権物件の価格が安めに設定されているのは、地主さんの意図により変わる可能性があるからであり、所有権と違って自分の考えや判断によるところができないことにも考えておくべきでしょう。

地主さんは誰?

このことから考えると、地主さんがどのようなバックボーンの方なのかが大きい要素かもしれません。

個人なのか法人なのか、お寺などの宗教法人なのかによって、将来の予測が立てやすくなります。

お寺からの借地の場合、かなり古くからの借地で住人も世代をわたり、建て替えて住んでいる状況があります。

お寺が買い取って経営していることをあまり聞いたことがありません。

宗教法人が買い取って賃貸経営をするとなると、規模にもよりますが法人税を払わなければならなくなります。

宗教法人による借地の場合は、都内でも結構あるようで、そのような借地であれば長きにわたって住めそうに考えるのは私だけでしょうか。

まとめ:住まい選びの選択肢として状況によっては選択肢の一つ

住まい選びは、自分の生き方を考え、住む場所を決めて、そこにずっと住む前提で住まいを購入し、家族の歴史を作っていく事ことです。

借地権付き建物がお得かどうかと建物だけで判断するのではなく、住む場所や環境、条件も暮らすには重要な要素です。

今回調べてみて、住まい選びの基準としての借地権は価格的には選択肢の一つであり、それぞれの考え方、将来の設計によるのではないかと考えました。

いずれにしても、目的物件の状況ををよく調べることは大切です。

ご自身の住まい選びの基準をもって住む場所、建物選びをお勧めします。

●ご相談、ご予約は ハビターレ まで、お待ちしています。
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