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2018年09月21日
大家さん応援ブログ

「空室率 」つづき

前回、調査時点での実態を知る、時点空室率の3通りの 空室率 について、状況によって使い分けることが望ましいとお伝えしました。今回は、賃貸経営のキャッシュフローを考える時の稼働空室率と「空室損・未回収損」について考えて見ましょう

稼働空室率・賃料空室率

持ち物件の1年間の稼働月数のうち空室月数または空室賃料が全体の何%なのか?

空室月数からの稼働空室率

10部屋を12か月稼働させると120か月(分母)
2部屋がそれぞれ5か月空室が続き未稼働の月数が10か月(分子)
10か月÷120か月×100=8.3%(稼働空室率)

空室賃料からの賃料空室率

10部屋(賃料5万円5戸+賃料10万円5戸)を12か月稼働させると総賃料収入900万円(分母)
2部屋(賃料5万円+10万円)がそれぞれ5か月空室が続き未収入の額が75万円(分子)
75万円÷900万円×100=8.3%(賃料空室率)

 

単純に空室戸数を全体の戸数で割ると、1年間ずっと空室であったと見込んでしまうことになり、過大な値となってしまうのです。賃貸経営を考えるときは、時点空室率は参考にはしますが計算上は使いません。

賃貸経営でキャッシュフローを考えるときには、この「稼働空室率・賃料空室率」で考えます。

稼働空室率(空室損・未回収損)を見積もる

賃貸経営をする場合、必ずいつも満室で 空室なんて考えない、などということはあり得ない話です。そこで、リスク率、稼働空室率をどれくらいに設定するかを考えるわけですが、この稼働空室率ではじき出される額が空室損・未回収損となります。

総収入(潜在総収入、表面的な年間賃料収入と考える)から空室損・未回収損を差し引いた収入が実行総収入(実質的な家賃収入)となります。

稼働空室率(空室損・未回収損)の見積もりは立地条件・地域の特性によって大きく変わります。条件の良い都心の徒歩圏なら5%、田舎の交通機関の少ない物件なら20%でも見積もりが少ないことも考えられます。

稼働空室率の見積もりによって実際の賃料収入は大きく変わってしまいます。

大家さんとしては、出来れば近隣物件の統計が分かるとよいのですが、持ち物件の過去のデータから空室期間を割り出して求めるのも実際の空室データを知ることにもなり良いかもしれません。

実質的な年収の計算

さて、実質的な手元に残る賃料収入の計算は、

実行総収入ー運営費ーローン返済(ローンがある場合)=手元に残る実質賃料収入

運営費には入退去にかかわるリフォーム費用や業者手数料、管理に関する費用、共用部の必要経費、保険料などすべての費用を見込みます。

手元に残る実質賃料収入÷潜在総収入=現状の経営に対する実質利回り、ということになります。

投資の場合は、上記の実行総収入÷購入価格で割り出すと、表面利回りの考え方とは差異が大きく生じるケースが出てきます。

もしも、空室も無く、年間満室が続いたときは大家さんにとってボーナスと考え、それを物件の質を上げることに回すか、もしくは次の投資に向けるという積極的な考えもあります。

リスクを回避するためにも、将来の賃貸経営のキャッシュフローを考え直す意味でも、自分の物件のデータをとり分析をして、現状を認識する事も必要かもしれません。
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